2026年9月21日


「最近、自分の口臭が気になる」
「家族から口臭を指摘された」
「ちゃんと歯磨きをしているのに、なぜ?」
「胃が悪いから口臭がするの?」
口臭は自分では気づきにくい一方で、一度気になり始めると、人と話すときに不安になってしまうこともあります。
「口臭=胃の問題」というイメージを持っている方もいるかもしれません。
しかし、実際には口臭の大部分はお口の中に原因があるとされています。特に、舌の表面に付着する「舌苔(ぜったい)」や歯周病は、口臭の代表的な原因です。
もちろん、口臭にはさまざまな原因があり、すべてが歯科の問題とは限りません。
この記事では、口臭が起こる原因や歯周病との関係、自宅でできる口臭対策、歯科医院を受診した方がよいケースについて、歯科医師の視点からわかりやすく解説します。
そもそも、なぜ口臭が発生するの?
口臭には、お口の中の細菌が大きく関係しています。
口腔内の細菌が、食べかすや唾液、剥がれ落ちた粘膜などに含まれるタンパク質を分解すると、【揮発性硫黄化合物(VSC)】と呼ばれるにおいの原因物質が作られます。
つまり口臭対策では、単に「においをごまかす」のではなく、
なぜ口の中でにおいが発生しているのか
を確認することが重要です。
口臭の主な原因
口臭には、大きく分けていくつかの原因があります。
1.舌苔(ぜったい)
口臭の代表的な原因の一つが舌苔です。
舌苔とは、舌の表面に付着する白色や黄白色の苔のような汚れです。
舌の表面には細かな凹凸があり、そこに細菌や食べかす、剥がれ落ちた粘膜などが付着します。
厚生労働省の情報でも、舌苔は口臭の主要な原因として挙げられています。
鏡を見たときに、「舌が白っぽい」と感じる場合には、舌苔が付着している可能性があります。
ただし、舌の表面を強く磨きすぎると粘膜を傷つけることがあります。
舌清掃を行う場合は、力を入れすぎないことが大切です。
2.歯周病
口臭と深い関係があるのが歯周病です。
歯周病は、歯と歯茎の境目にプラークが蓄積し、歯茎や歯を支える組織に炎症が起こる病気です。
歯周病が進行すると、歯周ポケットの中で細菌が増殖し、口臭の原因物質が作られやすくなることがあります。
特に、
・歯磨きをすると血が出る
・歯茎が赤い・腫れている
・朝起きると口の中がネバネバする
・歯茎が下がってきた
・歯がグラグラする
・口臭を指摘される
といった症状がある場合には注意が必要です。
口臭は、歯周病のセルフチェック項目の一つとしても挙げられています。
3.磨き残し・歯石
歯磨きが十分にできていない部分には、プラークが残ります。
特に、
・歯と歯の間
・奥歯
・歯と歯茎の境目
・歯並びが重なっている部分
・被せ物の周囲
などは、磨き残しが起こりやすい場所です。
また、プラークが石灰化して歯石になると、通常の歯磨きでは取り除くことが困難になります。
「毎日歯磨きをしている=すべての汚れを落とせている」とは限りません。
4.虫歯
虫歯も口臭に関係することがあります。
特に虫歯が大きくなり、穴の中に食べ物や細菌が溜まりやすくなっている場合などには、においの原因となる可能性があります。
また、詰め物や被せ物の周囲で虫歯が再発している場合、見た目だけでは気づきにくいこともあります。
5.お口の乾燥
唾液には、お口の中を洗い流して清潔に保つ働きがあります。
そのため、唾液が少なくなってお口が乾燥すると、細菌が増殖しやすい環境になることがあります。
例えば、
・起床直後
・長時間会話をしていないとき
・緊張しているとき
・水分摂取が少ないとき
・口呼吸をしているとき
などには、口臭を感じやすくなることがあります。
日本歯科医師会も、唾液分泌の減少を口臭の原因の一つとして挙げています。
朝起きたときに口臭が強いのはなぜ?
「朝起きたときだけ口が臭う」
という方は少なくありません。
睡眠中は唾液の分泌量が減少します。
そのため、お口の中を洗い流す作用が弱くなり、細菌が増殖しやすい環境になります。
また、起床時や空腹時には舌苔が増えやすい傾向があり、口臭が強くなることがあります。
このような口臭は、健康な方にも起こる生理的口臭の一つです。
起床後の歯磨きや適切な舌清掃、食事や水分摂取などによって改善することがあります。
「口臭=胃が悪い」は本当?
口臭が気になると、
「胃が悪いのかな?」
と思う方も多いかもしれません。
しかし、口臭の大部分はお口の中に原因があり、全身疾患などによる口臭は限定的とされています。
もちろん、副鼻腔炎など鼻・喉の病気や、一部の全身疾患が口臭に関係する場合もあります。
そのため、
「口臭がある=胃が悪い」
と決めつけるのではなく、まずお口の中に原因がないか確認することが大切です。
歯科医院で問題が見つからず、ほかの症状もある場合には、必要に応じて適切な診療科への受診を検討します。
歯磨きしているのに口臭がするのはなぜ?
毎日歯を磨いているのに、口臭が気になることもあります。
これは、歯ブラシだけでは届きにくい部分があるためです。
特に歯と歯の間には、プラークや食べかすが残ることがあります。
また、歯だけをきれいにしていても、
・舌苔
・歯周ポケット内の汚れ
・歯石
・虫歯
などが残っていれば、口臭につながる可能性があります。
口臭対策では、「何回歯を磨いたか」だけでなく、原因となっている場所を適切にケアできているかが重要です。
自分の口臭は自分でわかる?
実は、口臭は自分自身では判断しにくいものです。
同じにおいを嗅ぎ続けていると、嗅覚がそのにおいに慣れてしまうためです。
厚生労働省の情報でも、口臭の自己評価と実際の口臭の有無は一致しにくいことが示されています。
そのため、
「自分では全然気にならないから大丈夫」
とも、
「自分で臭う気がするから、かなり口臭が強い」
とも一概には言えません。
口臭が気になって生活に支障が出ている場合も含め、まずは歯科医院で相談してみるとよいでしょう。
自宅でできる口臭対策
では、日常生活ではどのようなことに気をつければよいのでしょうか。
丁寧に歯を磨く
基本となるのは毎日の歯磨きです。
特に歯と歯茎の境目は、プラークが残りやすい場所です。
強く磨くのではなく、歯ブラシを適切に当てて細かく動かしましょう。
・フロス・歯間ブラシを使用する
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れを十分に落としにくい場合があります。
歯並びや歯茎の状態に合わせて、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することも大切です。
「どれを使えばいいかわからない」という場合は、歯科医院で相談するとよいでしょう。
・舌をやさしく清掃する
舌苔が多く付着している場合には、舌ブラシなどを使用してやさしく清掃する方法があります。
ただし、ゴシゴシ何度も磨くのは避けましょう。
厚生労働省では、舌清掃は起床時の1日1回程度とし、力を入れすぎないよう案内しています。過度な清掃は舌の粘膜を傷つけるおそれがあります。
・お口を乾燥させない
こまめに水分を摂取することも大切です。
また、食事の際によく噛むことは、唾液の分泌にもつながります。
口呼吸が続いている場合には、その原因について確認することも検討しましょう。
マウスウォッシュを使えば口臭はなくなる?
マウスウォッシュを使用すると、お口の中がすっきりして、口臭が一時的に気になりにくくなることがあります。
ただし、歯周病や虫歯、歯石などが原因の場合には、マウスウォッシュだけで原因そのものを取り除くことはできません。
例えば、
歯周病が原因
↓
マウスウォッシュで一時的ににおいが気にならなくなる
↓
歯周病自体は進行している
という可能性もあります。
口臭が長く続いている場合には、においを隠すだけではなく原因を確認しましょう。
舌は白くなくなるまで磨いた方がいい?
舌苔が口臭の原因になるからといって、
「舌が完全にピンク色になるまで磨けばいい」
というわけではありません。
舌の表面は非常にデリケートです。
強くこすったり、何度も清掃したりすると、舌を傷つける可能性があります。
舌苔が気になる場合には、専用の舌ブラシなどを使用して、奥から手前へやさしく動かすようにしましょう。
こんな口臭は歯医者で確認しましょう
口臭には、健康な方にも起こる生理的なものがあります。
一方で、次のような症状がある場合には、一度歯科医院でお口の状態を確認することをおすすめします。
・家族や周囲から口臭を指摘された
・毎日ケアしていても口臭が続く
・歯磨きすると血が出る
・歯茎が腫れている
・朝起きると口の中がネバネバする
・歯石が多く付いている
・虫歯が気になる
・歯がグラグラする
・しばらく歯科検診を受けていない
特に、口臭と歯茎からの出血が同時にある場合には、歯周病が関係している可能性があります。
歯周病は強い痛みがないまま進行することもあるため、症状だけで判断せず検査を受けることが大切です。
口臭対策は「においを消す」より「原因を探す」
口臭が気になると、
「もっと歯を磨こう」
「マウスウォッシュを使おう」
「ガムやタブレットでごまかそう」
と考えるかもしれません。
もちろん、日常的なセルフケアは大切です。
しかし、歯周病や虫歯などが原因の場合、セルフケアだけでは改善が難しいことがあります。
大切なのは、
口臭がある
↓
においを消す
だけではなく、
口臭がある
↓
なぜ起きているのか確認する
↓
原因に合わせてケア・治療する
という考え方です。
アール歯科クリニック自由が丘では、口臭の「原因」を確認することを大切にしています
口臭は、一つの原因だけで起こるとは限りません。
アール歯科クリニック自由が丘では、口臭が気になる患者さまに対して、お口の状態を確認しながら原因を考えていきます。
例えば、
・歯周病の有無
・歯茎からの出血
・プラーク・歯石
・虫歯
・磨き残し
・舌苔
・お口の乾燥
・詰め物・被せ物の状態
などを確認します。
必要に応じて歯石除去やクリーニングを行うだけでなく、ご自宅での歯磨きやフロス・歯間ブラシの使い方についてもご案内します。
「自分の口臭が気になる」
「家族から指摘された」
「歯磨きをしているのに改善しない」
「歯周病が原因なのか確認したい」
という方も、お気軽にご相談ください。
自由が丘・奥沢周辺で口臭や歯周病についてお悩みの方のご相談を受け付けています。
よくあるご質問
Q.口臭の原因は胃ですか?
口臭の大部分はお口の中に原因があり、舌苔や歯周病などが代表的です。全身疾患などが原因となる場合もありますが限定的です。まずは歯科医院でお口の状態を確認することをおすすめします。
Q.毎日歯磨きしているのに口臭がするのはなぜですか?
歯と歯の間の磨き残しや歯石、舌苔、歯周病、お口の乾燥などが関係している可能性があります。歯磨きだけでは取り除きにくい汚れもあります。
Q.舌が白いと口臭がありますか?
舌の表面に付着する舌苔は口臭の代表的な原因の一つです。ただし、舌の見た目だけで口臭の有無を判断することはできません。
Q.口臭は歯周病のサインですか?
口臭は歯周病でみられる症状の一つです。歯茎からの出血や腫れ、ネバつきなどもある場合には、歯科医院で歯周病の検査を受けることをおすすめします。
Q.マウスウォッシュだけで口臭は治りますか?
原因によって異なります。歯周病や虫歯、歯石などが原因の場合には、マウスウォッシュだけでは原因そのものを取り除けません。原因に合わせた治療やケアが必要です。
まとめ|口臭が気になったら「胃」だけでなく、まずお口の状態を確認しましょう
口臭はデリケートな悩みですが、決して珍しいものではありません。
そして、
「口臭=胃が悪い」
とは限りません。
口臭の大部分はお口の中に原因があり、特に、
・舌苔
・歯周病
・磨き残し・歯石
・虫歯
・お口の乾燥
などが関係することがあります。
大切なのは、においを一時的に隠すことではなく、なぜ口臭が起きているのかを確認することです。
「最近、口臭が気になる」という方は、それをきっかけに一度お口の状態を確認してみてはいかがでしょうか。